様々なミックスをやっているとよく思うことがあります。
ミックスというのはボリュームの操作の連続ですよね。
音その物の音量はもちろん
EQも周波数毎の音量です。
コンプも音量を時間的に変化させているわけです。
PANふりにしても左右の音量調整ですよね。
これを日々Daw上でやるわけですが
この調整するノブだったり、バーの横や下には必ず数値が書いてあります。
これは本当に便利で調整する値を揃えたり、0.5ずつずらしたりと様々な場面で使います。
しかしこれは本当に良いことなのだろうか。
例えば単純にLとRのトラックがあったとして、
Lの音量は自分で聞いたところ-2.5dbでちょうどよかった。
【だから】Rも揃える為に-2.5dbに揃える。
はたまた
やたらキックのhighが強いのでEQで10kHz付近を【-3db削ろう】。
更にコンプでスレッショルドを一旦-4.62に調整したが数値が【中途半端だから】-4.5にしょう。
言いたいことがわかってくれるでしょうか。
いつしか数値に目がいってしまってそのときにはもう音なんて聞こえなくなってしまっているんじゃないかと思うわけです。
遥か昔のレコーディングやミックスなんかでは全てがアナログのつまみでやっていたわけです。
波形はもちろん、グラフなんかもなく、エンジニアとアーティストの耳と感覚だけで作業していたはずです。
EQなんかはとくにそうだと思います。
今では全周波数のグラフが表示できて、【視覚上】出過ぎた音域を削ることもできるわけですね。
そう考えると世に出回っている音楽というアナログ信号がいかにデジタル化されているのかがわかります。
批判しているわけではないですが僕自身、そういう数値に左右のされないようにデジタル機器で身をまもりつつもアナログな、音楽的な作業を心がけようと改めて思うわけです。