さて久しぶりの更新。
今回は先日手に入れたテレキャスターのお話。
動画にもしているので是非見ていただければと。
69年製ブルーフラワーをリフィニッシュしたテレキャスター[Fender 1969 Telecaster w/Bigsby]
https://youtu.be/Ovxgi6_9_Us
ここでは再度振り返りと動画で話せなかった部分もやっていきます。
まずこのテレキャス、楽器店で取り扱われている時点で何やら不思議なテレキャスだということでした。
当初はブルーフラワーになる予定だったボディをブルーフラワーの紙を剥がしてサンバーストに仕上げられ、販売されたのではということでした。
その根拠がこのPUキャビティの文字とのこと。
いろんなブルーフラワーのテレキャスの画像を探してもここに文字が入った個体を見たことがない。
まあ正直、これだけでは信憑性は全くないと思う。
69年当時ブルーフラワーの注文が入りボディは塗装まで完了していたと。
その後サンバーストのビグスビー仕様の注文が入った為、塗り直したんじゃないかという話。
全部を否定はできないが元の塗装がブルーフラワーだったのは可能性あるなと思ってます。
Blue Flowerの文字は一体どのタイミングで書かれたのか。
68年から発売のブルーフラワーとペイズリーレッド。
この仕様の注文がFender社に入り、その時点でこのボディはブルーフラワー用だと区別するために書かれたのだろうか。
もしこのネックもニコイチなどではなくて当時物だとしたらローズ指板のビグスビーブルーフラワーというなんともレアな仕様だったわけでむしろ特注っぽい。
しかし今となっては何もわからない。
気になる点はまだある。
ポットが77〜81年頃のポットに交換されている。
残念ながら販売店からの情報はなし。
ポットデイトは読みにくいが81年ではないかと推測。
81年ごろに2つのポットが交換されたのではないかと想像がつく。
そしてこのボリュームポットに半田をやり直した後があることからボリュームポットを交換したもっと後に塗装を塗り直した可能性も出てくる。
(もちろん単純に一時的にPUを交換していたなどの理由もあるかもしれないし作業した際の技術の問題もあるかもしれない。)
結局は謎。
しかし元々ブルーフラワーだった説は濃厚じゃないかと踏んでいる。
それはサイドの剥げ方だ。
ブルーフラワーの紙だけを剥がし、サイドに残った青い塗料は削らずに上からサンバーストの黒フチを塗っている。
いかにも海外らしいやり方。
ある意味マルチレイヤー仕様ということで僕は相当に気に入ってしまった。
こんなギターは恐らく世界に一本だろう。
あとの細かい仕様と69年製で間違いないだろう根拠は動画の通り。
もし違ったとしてもこの不思議な仕様と出音で十分満足している。
以下は69年製テレキャスターの資料として残しておく。
エクストラキャビティのないボディ
ネックポケットからコントロールキャビティまで長いドリルで一気に配線穴を通してある。
69年頃からフロントPUカバーに変更がありコイルが見える仕様に
OAKの3Wayスイッチは67〜70年ごろの仕様
64年以降のリアPUはワックスの含浸の後に白いタコ糸が巻かれるので白いものが多い。
グレーボビン
初期Fキーはポストの形にばらつきがある
当時はまだシャーラー製ではなくレイス&オームステッドという会社が作っていた。
全体的にクロームメッキ。
サイドのポジションマークが黒に変更へ。
ローズ指板といえばポジションマークは全てクレイドットかパーロイドのイメージが強いがいわゆる第二世代のローズ指板はメイプルワンピースと同様に黒いドットが入れられている。
作業効率を図ったためだろうか。
最後にネックデイト。
よく見る黒スタンプは製造月が押されていたが69年9月から変更される。
この場合は
3=テレキャスター
541はロット番号
12=12月
9=69年
B=ナット幅が標準仕様